ReShatta2

せんこーこーこーりーしゃった!った!

絶愛メモ 4巻編

 4巻です。とても激しい。やっぱりこの頃の先生は天才。こんなの誰が思いつく・描ききれるんだ。多分計算じゃなくて熱量のまま書いたのがまた天才ですわ。冷静なまま読もうと思っても結局引き込まれてウオーッってなってしまう。。。

 

 

 

■4巻編

 ・やっぱり物騒な表紙。だけど好き~~~~~~!!!!! 先生の絵は記号のちりばめが激ウマ

 ・「晃司もコージもドロだらけでゴミの中にうずくまって ――拾わずにいられなかった 悲しいくらいひとりぼっちに見えたから 俺と同じに見えたから… でも俺はひとりでも生きていける」←生きていけねえんだよなあ(クソデカ溜息)。南條晃司と出会わなければ一人で生きていたかもしれない、だけど出会ってしまったこの歯車が狂いだした感でたまらなくてベッドの底がぬけたわ(?)。南條晃司と出会わなければ、独身を貫くか、それなりに綺麗な奥さんを見つけてなあなあの人生を送っていたかもしれない、こんな激しい感情を抱かず、心の傷は誰にも明かさず生きていたかもしれない泉のことを考えるとため息が出ますわ。こんな感情にさせてしまうからやっぱゴミ捨て場で男は拾っちゃいけないんだよな。

 ・浴室で弱っている姿を見せた泉を泣きながら抱きしめる南條晃司 のシーンに添えられた「俺と同じに 見えたから……」というモノローグ はあ~~~~~上手い上手すぎる。それで泉はここで男らしく南條晃司を抱きしめ返すのがとても良いですね。少女漫画だったら抱きしめられてときめいて終わりですからねだからBLは良いね......。でも「俺と同じに見えたから」ってのはホットロード文法ですよね(?)似たもの同士寄せ合って温めるやつ.....。(尾崎南紡木たくに影響受けてるっていう話題は今回は省略します)

 ・「俺が女を好きになればそれは必ず正しい恋で 男だったら過ちだって言うのかよ?! 世間が許さなきゃ それはまちがいか?! こんなに好きでもか!! 誰も俺の感情に 口を出す権利はねえ……!!」

 はい来ました絶愛の議題ポイント~~~~~~~~~~~~~!!!!! 腐女子史に残るとんでもねえ名台詞だぜ~~~~~~~~!!! 腐女子永遠のテーマ~~~~~!!!

 私はこれについて(それが正しい考えだとかどうかは置いといて)自分なりに深く考えられる腐女子と、そんな難しいことはどうでもいいからホモ見せろ!って言う思慮の浅い腐女子がいるから争いが生まれてしまうと思っているんだよね。

 今はいろんな愛の形が認められるようになってきた時代だけど、これが書かれている時代は同性愛なんて.....みたいな時代だったわけですよ そんな時代に天下のマーガレット様で男同士の恋愛の漫画を描き、これを訴えた尾崎南神よ 半端ねえ~~。

 ・「でも なら どうすればいい 一秒よりも早く進むこの鼓動を 100年より長くなるこの熱さを この痛みを わかってる 何も言わなければいい 何もしなければいい この人に嫌われないように この人を汚さないよう 得られかけの信頼を失わないように……」からのでもやっぱり押さえられなくて抱きしめてしまう南條晃司....。

 絶愛の何が凄いって、ただ激情をぶちまけ続けていくだけでなく、その激情のカウンターがちゃんと置かれてあるところなんだよね.....。中島梓先生の言うところの、悩んで苦しむってのがしっかり出来ているのが本当に最高。こうやって悩み苦しんでしまうからそりゃ「どうすればいい」になってしまいますわ。

 南條晃司はイカレ野郎だけど、ただ相手のことを考えず自分の気持ちをぶちまけているのではなく、ちゃんと葛藤しているうえであのイカレ野郎なので私は大好きです。

 ・あ~~~んやだ~~~~キスしちゃったあ~~~~~///// のに、ここではそんな重い展開にならなかったのアタシ何回読んでも不思議でならないわッ

 ・泉のことを思えば思うほど、泉のマッマみたいな運命を辿りそうになっていく南條晃司良い......................................。

 ・南條晃司がついに気持ちを抑えられなくなり泉を襲うシーン。こうやって書くとギャグでしかないんだけど、激しい......激しい...............。やりすぎてもはやギャグってのを圧倒的熱量でねじ伏せていく尾崎南神△すぎる......................。この技術を持っている腐女子が現代にいるかいやいない(いるよ)。

 ・「これ以上あんたを好きになれば 俺は一生あんたから離れられなくなる この想いはかなうことがない… 一刻も早く俺を止めなくちゃ……!!」からの無理矢理泉を襲う

 わかり太郎(?) 好きでどうしようもなくて、その感情が好きな人を傷つけてしまう、だから何もせず去るのが最良だと頭では分かっているのに、結局気持ちが抑えきれず襲ってしまったという矛盾 良いですねえ~ 一発めちゃくちゃにやってめちゃくちゃに嫌われたらどんなに楽だというその弱さ(→「言ってくれよ… "二度と顔もみたくねえ"って "死んじまえ"って――」)に「好きならなにしたっていいとでも 言うのかよッ」と答える泉 とっても良いですね~~~~~~~~~ 決して甘えを許さない泉とても良いよ......................... 

 ・「こんなことがしたかったんじゃない… でも 今 壊さなきゃ きっと もっとひどいめにあわせちまう…!! 好きなだけなのに どうして…」

 泣いちゃう~~~~~~(嘘です真顔で打っています)!!!! 女とっかえひっかえな男がこんなに一人の人に対してもがき苦しんでるのめちゃくちゃ泣いちゃう~~~~~(軽っ)!!! そうなんだよな、誰しも好きな人と傷つくことのない優しい関係になりたいよな、だけどそれは自分と思いが同じじゃないと成立しないわけで、その同じ思いになるのがめちゃくちゃ難しくて、それが出来る人なんてそういなくて、結局自分は一人なんだ、好きな人と一つになれることはないんだという悲しい現実と全力で向かい合っている尾崎南神が伺える 中島先生のいうところの存在の葛藤だ~~~~~(涙を流す黄ハゲ絵文字)

 ・次の日、昨日の夜のことを思い出して鼓動が早くなっていく泉の描写 なにげない描写だけどとても好き 泉の中で南條晃司が無視出来ない存在になってしまった=今までの自分ではなくなっていくのが伺えるこの描写 とても良い

 ・「――心臓に… 刃を突き立てることもできなかった あなたがまだ生きて 息をしているのかと思うと――!!」「あなたにとって 一番有害になる俺は 抹殺しなくてはならない 俺が息をしていれば あなたを苦しめる 追い詰める 汚してしまう ――でも どうしても できなかった 俺が死ねば あなたは自由になって その脚で また太陽の下を駆けるんだろうか 俺より あんたを好きになる奴なんて いるもんか…!! たえられない」

 繰り返しになるけど本当に良いよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! 俺たちが求めてるのはこの激しさだよな~~~~~~~~~~!!!!! 

 で、ここに「その瞳で誰かを見つめるんだろうか その唇で何かを語るんだろうか その腕で いつか誰かを愛するんだろうか」ってポエムが添えられてるんだけど、これがもうめちゃくちゃ切なくてたまらなく好き 想像したら泣いちゃう それが耐えられないから美しい今の状態のまま相手を殺すべきなんだけどでもそれは大迷惑すぎる、だけど変わらないものなんてない、だから時を止めなければ――自分が死ぬしかないって結論に至ってしまうんだよな っていうか初めて絶愛読んだ時、このポエム読んで「これは私が二次創作でやりたかったテーマや~~~~~~!!!」ってなったんだよね はあ

 ヤンデレって言葉が流行ってましたけど、絶愛読んでからヤンデレで一蹴するんじゃあないよって思うようになったんですよね ヤンデレの声を聞いてやれ感 でも気持ちは分かるけど好きすぎて殺すのはやっぱりいけないよ絶愛読みなって感じ

 それにしてもここまで激しく愛している姿を描けるのほんと凄い 尾崎南神はいつもこんな思いを抱えて生きていたのか.....感 まあここまでされると相手は「ええ....」ってなっちゃうだろうけど 多分彼女はそれも知っている だからこうやって昇華していくしかないんだね

 ・「…どうすればいいのか 何もわからない 結局…わかっているのは 俺は あんたが好きだということ だけだ」「じゃあ俺が女だったら あんた 俺のこと好きになってくれますか? あんたが女だったら俺はあんたを好きになっていいのか そんなことであんたを好きになってくれるのかよ……っ」

 はい来ました~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!! 絶愛最大のテーマ(と私は思っている)再放送~~~~~~~~!!!! BLを少女漫画雑誌でやった作品が言うと重みがありすぎる!!!!!!!!!!!!! 腐女子は「お前が男でも女でもお前を好きになったぜ」という魔法の呪文を唱えて走り続けるわけだけど、その根拠を論じるのはとても難しいこと だけど尾崎南神は向き出しのまま・死ぬ気で俺たちに伝えてくれている!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 最高やでやっぱ時代の寵児な人間はやっぱり格が違うぜ ここまで、この腐女子の原始的な思いをここまで深く考えられる、それでいて形に出来る人もう現れてこないよきっと 強すぎるよ でも実際泉が女だったら南條晃司は同じくらいの激しさで愛せていたのだろうか感あるよな ここらへん誰かとお話したい

 ・この激しさにはさすがの泉(揺るぎない自分の信念の持ち主)も揺らいじゃうよ。ということで.......なによその女~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!! いよいよ絶愛が終盤にさしかかる...........

 ・そしてこの「どうすればいい」である。

 

 疲れた.........。そして南條晃司は神の言葉しか発さないBLの宝石箱や~!という腐女子彦摩呂で終わろうと思います。

 

 4巻読む前はこんなにメモ書いてるのに全然最後のまとめ文の構成が思いつかないなと思っていたんですけど、やっと輪郭が見えてきました。のでこれやる必要なくなってきた感ありますがまああと1巻だしね。

 

 続く

 

絶愛―1989― 4 (マーガレットコミックスDIGITAL)